「未承認材料」への注意

社団法人 日本歯科技工士会
技工業対策部(自営)

 

最近、日本国の薬事法で承認されていない歯科材料を使用した義歯についての話題があるとの声が寄せられています。当該事案は、使用されている材料が承認されていない可能性があり、脱法行為による運用ではないかなどが問題視されています。
これを受けて今回、未承認歯科材料を輸入、販売、広告することに関して、厚生労働省の担当部署に照会いたしました。回答の内容をお知らせいたします。
◎厚生労働省 医薬食品局監視指導・麻薬対策課 薬事監視第一係 見解
・日本国内おける未承認の歯科材料を輸入し販売することは、薬事法第22条(無許可輸入)、第39条(無届出販売)、第64条で準用する第55条第2項(無許可医療用具の販売)に違反となります。
・未承認の歯科材料の優位性と称する点を広告することは、承認前の医療用具の広告を禁じている薬事法第68条(未承認医療用具の広告)に違反となります。
未承認の歯科材料の優位性と称する点を示す行為も、情報提供の範囲を超え広告となる場合には、第68条(未承認医療用具の広告)違反となります。
国内で、インターネットを使用した未承認医療用具の広告も薬事法違反となります。
・歯科技工士が未承認材料を製造した場合には、薬事法第12条(無許可製造)違反となります。
歯科技工士が未承認材料を輸入(業としての使用目的があるので個人輸入にはなりません)した場合には、薬事法第22条(無許可輸入)違反となります。

 

薬  事  法

(昭和三十五年八月十日)(法律第百四十五号)
「未承認材料への注意」関係条文部分

第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療用具の品質、有効性及び安全性の確保のために必要な規制を行うとともに、医療上特にその必要性が高い医療品及び医療用具の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする。

第四章 医薬品等の製造業及び輸入販売業
第一節 製造業
(製造業の許可)
第十二条 医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療用具の製造業の許可を受けた者でなければ、それぞれ、業として、医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療用具の製造をしてはならない。
第二節 輸入販売業
(輸入販売業の許可)
第二十二条 医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療用具の輸入販売業の許可を受けた者でなければ、それぞれ、業として、医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療用具の輸入をしてはならない。

第五章 医薬品の販売業並びに医療用具の販売業及び賃貸業
(医療用具の販売業及び賃貸業)
第三十九条 厚生労働大臣の指定する医療用具を業として販売し、又は賃貸しようとする者は、あらかじめ、営業所ごとに、その営業所の所在地の都道府県知事に厚生労働省令で定める事項を届け出なければならない。ただし、医療用具の製造業者又は輸入販売業者が、その製造し、又は輸入した医療用具を医療用具の製造業者又は販売業者若しくは賃貸業者に販売しようとするときは、この限りでない。

第七章 医薬品等の取扱い
第二節 医薬品の取扱い
(販売、授与等の禁止)
第五十五条 前五条の規定に触れる医薬品は、販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列してはならない。
2 模造に係る医薬品又は第十二条第一項、第十八条第
一項(第二十三条において準用する場合を含む。)若しくは第二十二条第一項の規定に違反して製造され、若しくは輸入された医薬品についても、前項と同様とする。
第五節 医療用具の取扱い
(準用)
第六十四条 医療用具については、第五十三条から第五十五条までの規定を準用する。この場合において、第五十三条中「第四十四条第一項若しくは第二項又は前三条」とあるのは「第六十三条又は第六十三条のニ」と、第五十五条第一項中「前五条」とあるのは「第六十三条、第六十三条のニ又は第六十四条において準用する第五十三条若しくは第五十四条」と「販売し、授与し、又は販売」とあるのは「販売し、賃貸し、授与し、又は販売、賃貸」と読み替えるものとする。

第八章 医薬品等の広告
(承認前の医薬品等の広告の禁止)
第六十八条 何人も、第十四条第一項に規定する医薬品又は医療用具であって、まだ同項(第二十三条において準用する場合を含む。)又は第十九条のニ第一項の規定による承認を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。

第十一章 罰則
第八十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
二 第十二条第一項の規定に違反した者
四 第二十二条第一項の規定に違反した者
十二 第五十五条第二項(第六十条、第六十二条及び第六十四条において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
第八十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
五 第六十八条の規定に違反した者
第八十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
六 第三十九条第一項の規定に違反した者

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